あるところに まだ子供の木が森の中にあって
ある日その森に一人の男の人がやってきてその木を見つけて
凄く素敵なかわいい木だと思って 家に持って帰った
10年経ってその木は青年のような木になった
四季をを見つめて変わる風景を見つめて 10年経った
ニコニコ顔の素敵な木になってる
そこに引っ越してきた家族がいて
そのお父さんがある日 火箸をちょっとその木に立てかけ
それを立てたことを忘れた
2年経って その火箸は木の一部になってた
木の中に組み込まれた火箸を見て彼はそこに忘れたのを思い出した
取ることは可能だろうけれど 木の皮を剥いでまで取る必要はなかった
その男は それがどうなるのかをちゃんと知っていた
でもあちこちでみんなが噂をし合った
「木が痛そう」
それから5年経って 子供が大きく7歳くらいになって
その火箸の刺さった所が子供のお腹の高さにちょうどいい高さになっていた
その火箸に足をかけて木に登るのが好きだった
皆がまた影でヒソヒソ噂話をしていた
「あんなことをさせたら危ないね」「それに木も痛そう」
でも木は喜んでいた 子供と一緒に遊ぶのが大好きだった
それから4年経って お父さんは子供の身長にあったところに
取っ手をつけてあげた
そしてまた皆はヒソヒソ噂をした
「あの木がかわいそう!」
でもお父さんはちゃんとそのあとどうなるかを知っていた
20年経って その子供も小さな子供の親になっていた
その子供は、お父さんがつけてくれた木についてた把手の一番先に
木の生長にあわせて伸びた分 自分の子供のために把手をつけた
それがどんなことになるのかをちゃんと知ってるから